日本では昔から数を表す記数法として、漢数字 一、二、…、十、百、… を使ってきましたが、これ以外にもいろいろな記数法があります。これらは皆中国から伝わったものです。数を表す基本的な用法には、個数を表す基数詞と順番を表す序数詞とがあります。古代ではどこの国でも、これら2つの用法は別々の言葉が用いられていました。英語では今でも、基数詞は one, two, three, … と、序数詞は first, second, third,… と使い分けています。今回のお話では日本の暦に関わる序数詞を紹介しましょう。
五行
世界を構成する5つの元素
中国ではオリエントと同様、天文学(占星術)が発達していて、これから述べる序数詞も天文学からきているようです。5つの惑星を「五星」、これに月と太陽を加えたものを「七政」(「政治に必要な七つのもの」の意)と呼んでいます。また、春秋戦国時代の哲学者鄒衍は、この世界は
木、火、土、金、水
の5つの元素(原素)からできているという説を唱えました。序数詞ですから、順番はこのように決まっています。
木は燃えて火となり、
火の灰は土となり、
土は固まって金が生じ、
冷えた金の表面に水が生じ、
水から木が生じる
のちに、これが「五星」に結びつけられますが、もともとの惑星の名前はこれではなく、
木星は歳星、
火星は熒惑、
土星は鎮星、
金星は太白、
水星は辰星
と呼ばれていました。
五行と四季
五行はいろいろなものに割り当てられましたが、四季には次のように割り当てられました。

春、夏、秋、冬は、木、火、金、水を割り当てます。さらにこの4つのそれぞれから 1/5 を切り取り、土を割り当てました。立春の前の18日を冬の土用、立夏の前の18日を春の土用、立秋の前の18日を夏の土用、立冬の前の18日を秋の土用と呼びます。土用とは、「土の作用がもっとも強い時期」を意味し、現在の日本ではふつう夏の土用を指します。
陰陽説(いんようせつ)
世界を構成する神羅万象は、相反する2種類の“気”である“陰”と“陽”に分けられるとする思想を陰陽説といいます。これはオリエントの哲学における「二元論」、あるいはコンピュータ・サイエンスにおける「二値論理」に通じるものがあります。
“気”とは何かという説明は難しいのですが、「元気」や「息」の“き”のことで、神羅万象の根本という意味のようです。「けがれる」のもともとの意味は「気が枯れる」という意味のようです。陰陽説では、多くの概念を次のように2つの対立する概念に分けます。ヨーロッパの「二元論」と違って、陽は「善で上位のもの」、陰は「悪で下位のもの」といった明確な価値基準は持っていないようです。

- 十干(じっかん)
- 甲・乙・丙・丁…
- 陰陽五行説
- 十二支
- 六十干支(ろくじっかんし)
- バビロニアの60進法とは?
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