シュメール人の発明:位取り方式とその起源
現在私たちが使っている 10進数は、前回のお話で述べた 位取り方式と呼ばれる画期的な記数法です。この10進数はインドで生まれ、アラビアに伝えられ、やがて12世紀にヨーロッパに伝えられます。しかしヨーロッパでは長い間この記数法は定着しませんでした。15世紀になると、イタリアを中心に少しずつ普及し始めます。「17世紀の科学革命は10進数がなければ成し遂げられなかった」と言われるぐらいこの記数法は評価されています。この記数法では記号の “0” が重要な働きをしますから、「 0の発見 」としても有名です。しかし、位取り記数法はインドよりもずっと前にバビロニアで発見されているのです。ただし、バビロニアの記数法は10進数ではなく60進数でした。
60進数の書かれた楔形文字の粘土板文書は、メソポタミアの遺跡に埋もれ長い間忘れさられていました。したがって、位取り方式がシュメール人の発明だということを誰も気づきませんでした。しかし、60進数は延々と歴史の中を生き延び、現在まで伝わっていたのです。時間や角度の「分」や「秒」はバビロニアのから伝わったものだったのです。
ではどのようにして60進数という記数法が生まれたのか、その出生の秘密を探ってみましょう。
この先で扱う内容
- 計算に使われたトークンとは?
- 60進法の考え方「6・10進法」の解釈
- 位取り方式はどのように発達したか
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