記数法の起源と発展:線刻と文字表記
数を文字によって表す表し方を記数法といいます。石器人は獣骨に線を刻んで数を表しました。これを線刻と言います。記数法のはじまりです。旧石器時代は獣骨を用いましたが、その後、木の棒が用いられるようになります。ヨーロパではこの木の棒を符木 (tally) と呼んでいます。中国では木簡といいますが、竹簡も用いられました。メソポタミアにはよい木が生えていなかったため、粘土板が用いられました。
ローマ数字は線刻からきています。I, II, III は線刻そのものです。X はアルファベットの「エックス」ではなく I の10個の「束(たば)」を表す記号、つまり I を10個並べて、斜め線「 / 」でくくったものを記号化したものです。V も「ヴイ」ではなく X の上半分、つまり10 の半分の 5 を表します。漢字の一、二、三も線刻からきています。木や竹に線を引く場合、繊維を切るように線を書き、ローマ字の場合は木の棒を横にして読み、漢字の場合は縦にして読んだのです。十は「一の10個の束」を表します。廿 という漢字は「十が2個」を意味し、丗は「十が3個」を意味しています。算用数字の 2 と 3 も 二 と 三 を続けて書いたものからきているそうです。楔形文字では線を引くより葦の茎の断面を粘土に押し付けた方が簡単ですから“くさび形”になりますが同じとみてよいでしょう。

この先で扱う内容
- 10進数と数字の束ね方:記号化が言語の発達を促す
- 古代ローマ数字の成り立ち
- 合成文字方式と単一文字方式
- ローマ数字
- エジプトの神聖文字(ヒエログリフ)
- エジプトの神官文字(ヒエラティック)
- 古代ギリシアの記数法
- アッティカ方式
- イオニア方式
この続きは現在、電子書籍として編集中です
販売中の電子書籍を見る ›