放物線と座標
古代の放物線
現在の私たちは放物線といえば常にXY座標を頭に浮かべ、放物線上の点 P は座標として、実数の組 (x, y) で与えられます。放物線の描き方も決まっていて、放物線の頂点が原点になかったり、放物線が横を向いていたりしたら、すべて違ったものとして扱われます。一方古代では、向きは自由ですし、2本の軸は直交している必要はありませんでした。このような座標を斜交座標といいます。放物線もこの斜交座標で表されます。
直交座標
まず直交座標、つまり XY座標の復習をしましょう。古代では軸の向きは自由だと言いましたが、本連載では軸の向きは鉛直と水平に固定して、鉛直軸と水平軸と呼ぶことにします。点 P を表す組 (x, y) は、古代では座標ではなく辺の長さです( 図3.4.1 )

点 P から鉛直軸に下ろした垂線の足を I、水平軸に下ろした垂線の足を J とします。PI の長さが x で、PJ の長さが y です。図が示すように、P は水平軸の上側しか許されませんが、鉛直軸に関しては右と左の両方が許されます。以下の議論では、鉛直軸の右側の P についてだけ説明しますが、左に現れる P についてもまったく同様の事柄が成立します。
斜交座標
2つの軸が任意の角度で交わる座標が斜交座標です。古代では軸の向きは自由ですが、本書では1本を鉛直に固定し、もう一方を斜交軸と呼ぶことにします。点 P は斜交軸の上側にしか許されませんが、鉛直軸に関しては両側に許されます。

図3.4.2 で、PI は斜交軸に平行、PJ は鉛直軸に平行です。直交座標と同様、点P を辺の組 (x, y) で指定します。PIとJO、PJとIO は平行になるので、PIOJ は平行四辺形となります。したがって、PJ=IO=y です。図が煩雑になることを避けるため、線分 PJ を書かずに、IO で y を表すことがあります。
本節では、この斜交座標で放物線が
\(□(p, y) = □^2(x)\)
と表されることを示します。ここで p は長さを表すだけの固定された線分ですが、図には現れないこともあるので注意してください。この定理を〔斜交座標〕定理と呼びます。読者の皆さんは、(x, y) は座標と、□(a, b) は a と b の積 a·b と、比 a : b は割り算 a/b とみなしてかまいません。このように解釈すると、以下の議論が読みやすくなると思います。
- 斜交座標の定理
- 何のための定理か
- 補助定理
- 【定理】斜交座標
- 軸と切片中点、斜交座標の接線
- 【定理】軸と切片中点
- 【定理】斜交座標の接線
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