「高校で習う数学など私たちの毎日の生活には何のかかわりもない」というような話をよく聞きます。特に二次方程式とか 放物線 などは、日常生活にはあまり現れません。2千年も前にアルキメデスは放物線、楕円、双曲線などといったとても抽象的な対象を扱っていました。数学は一人でできるものではありません。自分のなしとげたことを理解し評価してくれる集団がいたはずです。実際、アルキメデスは自分の研究した結果をエジプトのアレクサンドリアの図書館長であるエラトステネスに送っています。どんな理論でも、実用的で実践的な問題が動機となって発展してきたと思います。特に放物線、楕円、双曲線といった抽象的な理論は、その理論に至るまでの長い歴史があったに違いありません。アルキメデスの時代には、すでに放物線の理論を、前置きや説明ぬきで受容する環境ができ上っていたようです。
現代における放物線の扱い
放物線の方程式
アルキメデスは2千年も前の人です。アルキメデスの時代から現代にいたるまでの間に、数学はだいぶ進歩しました。数学がどのように進歩してきたかを見るには、現在の数学の概念を使うのはよくないと数学史の専門家はいいますが、これがなかなか難しいのです。本説では、放物線についてアルキメデスの時代と現代の違いについて述べてみたいと思います。
現代では放物線は方程式
\(y = ax^2 \)(1)
で表し、図3.1.1 のような xy座標で図示されます。

放物線上の点 P は、(1) を満たす2つの実数 x と y の組 (x, y) で示されます。組 (x, y) を点 P の座標といい、点 P(x,y) と引用されることがあります。現代数学では、形式的に「放物線とは (1) を満たす組 (x, y) 全体からなる集合のことである」と定義されます。点Oを放物線の頂点、y軸を放物線の中心軸と呼びます。放物線とただの1点で交わる直線をP を接点とする接線といいます(図3.1.2 )。

本節では放物線の接線に関する2つの定理を紹介し、現代の方法で証明します。古代の証明に関しては次節以降で解説します。
放物線の接線
図3.1.3 で、P は放物線上の任意の点、PIは軸に下ろした垂線とする。IO の延長線上に点 C を IO = OC となるようにとる。すると、CPは放物線の接線となる

- 【定理】放物線の接線 の証明
- 放物線の切片と接線
- 【定理】放物線の切片と接線 の証明
- 古代における放物線の扱い
- 古代では放物線をどのように表したか
- 長さや面積は掛け算ができなかった
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