3-1. 放物線とは?放物線の方程式と接線 | 古代の放物線の表し方

じっくり 幾何
3-1. 放物線とは?放物線の方程式と接線 | 古代の放物線の表し方

「高校で習う数学など私たちの毎日の生活には何のかかわりもない」というような話をよく聞きます。特に二次方程式とか 放物線 などは、日常生活にはあまり現れません。2千年も前にアルキメデスは放物線、楕円、双曲線などといったとても抽象的な対象を扱っていました。数学は一人でできるものではありません。自分のなしとげたことを理解し評価してくれる集団がいたはずです。実際、アルキメデスは自分の研究した結果をエジプトのアレクサンドリアの図書館長であるエラトステネスに送っています。どんな理論でも、実用的で実践的な問題が動機となって発展してきたと思います。特に放物線、楕円、双曲線といった抽象的な理論は、その理論に至るまでの長い歴史があったに違いありません。アルキメデスの時代には、すでに放物線の理論を、前置きや説明ぬきで受容する環境ができ上っていたようです。

現代における放物線の扱い

放物線の方程式

アルキメデスは2千年も前の人です。アルキメデスの時代から現代にいたるまでの間に、数学はだいぶ進歩しました。数学がどのように進歩してきたかを見るには、現在の数学の概念を使うのはよくないと数学史の専門家はいいますが、これがなかなか難しいのです。本説では、放物線についてアルキメデスの時代と現代の違いについて述べてみたいと思います。

現代では放物線は方程式

\(y = ax^2 \)(1)

で表し、図3.1.1 のような xy座標で図示されます。

図 3.1.1:放物線 y = ax^2 を xy 座標に描いたグラフ。原点 O を頂点とする左右対称の放物線が描かれており、右側の放物線上に点 P がプロットされ、『P(x, y)』というラベルが付いている。垂直な y 軸と水平な x 軸が引かれている。

放物線上の点 P は、(1) を満たす2つの実数 x と y の組 (x, y) で示されます。組 (x, y) を点 P の座標といい、点 P(x,y) と引用されることがあります。現代数学では、形式的に「放物線とは (1) を満たす組 (x, y) 全体からなる集合のことである」と定義されます。点Oを放物線の頂点、y軸を放物線の中心軸と呼びます。放物線とただの1点で交わる直線をP を接点とする接線といいます(図3.1.2 )。

図 3.1.2:放物線 y = ax^2 の接線を示す図。縦軸(y軸)が放物線の中心軸、横軸(x軸)が水平に描かれている。放物線は原点Oを頂点とし、中心軸の左側に滑らかに曲がる曲線として描かれている。放物線上の点Pには『接点』とラベルが付いた直線が接し、その直線が放物線と1点だけ交わっている様子が示されている。接線は点Pで放物線に触れ、放物線の形をなぞるように細い線で描かれている。

本節では放物線の接線に関する2つの定理を紹介し、現代の方法で証明します。古代の証明に関しては次節以降で解説します。

放物線の接線

定理:放物線の接線
図3.1.3 で、P は放物線上の任意の点、PIは軸に下ろした垂線とする。IO の延長線上に点 C を IO = OC となるようにとる。すると、CPは放物線の接線となる
図 3.1.3:放物線 y=ax^2(灰色)が原点 Oを頂点に左右対称に描かれ、縦軸(重ねて中心軸)と横軸が引かれている。放物線上の点Pから垂直に降ろした線分PI(IはPの高さと同じ高さで縦軸上)と、垂直軸の下方延長上でIO=OCとなる点Cが示される。点CからPを結ぶ直線CP(青)が描かれ、これが放物線の接線であることを示している。

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