ポゥじいとめぐる「数」の旅

古代ギリシアの数1数学はこうして生まれた

難易度 ふつう 対話形式 名誉教授監修
Kindle Unlimited 読み放題 対象
¥500 税込 / Kindle版

About this bookこの本について

数学はなぜ生まれたのか――。古代文明の知恵をたどる、ドラマチックな数学史。

古代の人々にとって、数は単なる「計算の道具」ではありませんでした。ピタゴラス学派は「万物は数である」と信じ、数の背後に宇宙の秩序や神秘を見出そうとしたのです。その純粋な探究心が、やがて数学という学問を生み出す原動力になりました。

本書では、現代の教科書に載っているような数式はほとんど登場しません。代わりに、小石を並べて図形を作り、視覚的・直感的に数の性質を解き明かしていく古代人の鮮やかな思考プロセスをたどります。

「素数はなぜ無限に存在するのか」「なぜ1週間は7日なのか」「正多面体はなぜ世界に5種類しかないのか」――教科書の公式の背後には、古代ギリシア人が積み重ねた深い思考の歴史があります。数の始まりを知ると、当たり前だと思っていた世界の見え方がガラリと変わります。

全編、ポゥじいと生徒たちの対話形式で進みます。難しい概念も会話の流れで自然に理解できるので、数学が苦手な方でも安心して読み進められます。

For youこんな方におすすめ

公式の「意味」を知りたい

暗記してきた公式が、どんな考えから生まれたのかを理解したい方に。数学が「答えを出す道具」から「人類の思考の結晶」に見えてきます。

科学史が好き

物語として数学に触れたい方に。ピタゴラス学派の「数神秘主義」から素数・完全数までをたどります。

学び直したい大人・中高生

会話形式で一歩ずつ進むので、久しぶりの数学でも読み進められます。数学に苦手意識がある方ほど、入口として最適です。

Contents目次

1 数論の源流 ― 数神秘主義から始まった?

数学が「実用」だけでなく、ピタゴラス学派の「万物は数である」という信仰からも生まれたことを紹介する導入章。数論という分野のルーツを探ります。

2 数学の原初の姿は具体的で直感的だった?

古代ギリシア人が数をどのように捉えていたかを紹介。小石を並べて数の性質を確かめる、本書全体を貫く視覚的な思考法の入口となる章です。

3 数の分類とグノモン

L字型に石を並べる「グノモン」という考え方を使い、奇数を順に足すと平方数になることを図形で示します。現代の代数とは異なる証明の美しさが味わえます。

4 三角数と平方数の不思議な関係

三角数と平方数の関係を、小石の配置だけで証明する本書屈指のハイライト。論理と視覚がぴたりと一致する感動が体験できます。

5 古代ギリシア人は数値計算が苦手だった?

分数や小数を持たなかった古代ギリシア人が、数をどう扱っていたのかを解説。現代とは異なる数観に触れる章です。

6 小石の計算は平面から立体へ

三角数を積み上げて三角錐数へと拡張し、平面の発想が立体に広がっていく様子を追体験します。数学の抽象化の第一歩です。

7 古代ギリシアの「直感的な証明」

「図を見ればそれ以上言葉はいらない」という、古代ギリシア独特の証明スタイルを体験する章。現代の証明との違いが際立ちます。

8 自然数の世界 ― ギリシア人の数の分類

偶数・奇数・素数など、ギリシア人が自然数をどう分類していたかを整理します。後の章の土台となる基礎知識です。

9 最も美しい証明のひとつ ―「素数の無限性」

「素数はなぜ無限に存在するのか」というユークリッドの証明を紹介。数学史上もっとも美しいとされる証明のひとつです。

10 指数とギリシア人の視覚的証明

指数(べき乗)という考え方を、図形を使って視覚的に証明していくギリシア流のアプローチをたどります。

11 数学者を魅了した「完全数」とは

「完全数」の定義と、その神秘性が古代から現代まで数学者たちを惹きつけてきた理由を解説します。

12 ギリシア人と数神秘主義

ピタゴラス学派の数神秘主義をあらためて振り返り、数論という分野が生まれた思想的背景をまとめます。

13 なぜ1週間は7日間で1年は365日なのか

暦の成り立ちと数の性質の関わりを解説する、読み物として楽しめる章。身近な疑問と数学がつながります。

14 正多面体は世の中に5つしかない!?

正多面体がなぜ世界に5種類しか存在しないのかを、幾何学的に解き明かします。本書の大きなフックのひとつです。

15 まとめ

本書全体を振り返り、シリーズ第2弾「無理数は本当に発見されていたのか?」への橋渡しを行う終章です。

Preview試し読み

本書は終始、ポゥじいたちの会話で進みます。冒頭の一場面をのぞいてみましょう。

SAMPLE | 本文より
カズオ
はぁ〜…今日、学校の数学のテストほんと最悪だった…。全然できなかったよ。数学なんてなくてもいいのになー。なんであるんだろう…。
スウカ
わかるー。私も全然できなかった〜。テストって、ほんと気持ちが沈むよね…。私もテストはあまり好きじゃないけど、『数学っておもしろいな』って思う瞬間はあるんだよね。いままで解けなかった問題の解き方が分かったときとか、なぜ間違えちゃったのかがはっきりしたときとか。
ポゥじい
ふむ…。数学は多くの生徒に嫌われがちで、わしとしてはちと悲しいのう…。
カズオ
数学って、なんであんなに難しいのかな…。公式とかいっぱい覚えなきゃだし、何のためにやっているのか、正直よくわからなくなる時があります。
スウカ
でも数学って、いろんなところで役に立っているんだよね。建物を作るときの設計とか、コンピュータのプログラムとか、ぜんぶ数学が関わってるって聞いたことがあるよ。
カズオ
そうなんだ…。でも、それって今の話でしょ?昔の人たちは、なんでわざわざ数学なんて研究しようと思ったんだろう?
ポゥじい
お、いい質問じゃな。数学が生まれた理由を考えると、文明の発展と深い関係があるのじゃよ。多くの記録や解釈によれば、その理由を経済活動に求めておる。たとえば、交易、戦争、租税、神殿の建設など、社会の発展には数学が欠かせなかったんじゃ。
スウカ
なるほど…。たしかに実用的に数学が必要だったのはわかります。でも、学校の数学って実用以上に難しい気がするんですよね。数そのものを分類したり、数そのものを調べることって、なんだか不思議な気がして。ただの数字にそんなにこだわる必要があったんでしょうか?
ポゥじい
それは今で言う「数論」という分野じゃな。数論は少し違うんじゃよ。確かに経済活動に関連する数学もあるが、数論が生まれた理由には数神秘主義も関係していると言われておるのじゃ。
カズオ
数神秘主義とは…。それって占いみたいなものですか?うーん。数学と占いって全然関係なさそうに思えるんですけど。
ポゥじい
その通りじゃ。数に特別な意味や力を見出そうとするものじゃな。まあ、占いみたいなもんじゃが、現代人が持つ「占い」のイメージとは少し違うのかもしれん。
スウカ
過去の数学を現代の視点で見るのって、ちょっと違うのかもしれませんね。ギリシア人が素数とか完全数に興味を持ったのも、単なる知的好奇心だけじゃなくて、数に対する神秘的な考え方の影響もあったんじゃないかなって思います。
ポゥじい
その通りじゃな。最近では、ギリシアの数学にはオリエント、つまりエジプトやメソポタミアの影響があったのではないかという説も出てきておる。数の歴史をたどることで、これらの関係が明らかになるかもしれんな。
カズオ
オリエントって…どのあたりですか?あれ、エジプトはわかるけど…メソポタミアってどこでしたっけ?
ポゥじい
オリエントは現在の中東地域を指すのじゃよ。古代文明が栄えたエジプトやメソポタミア、バビロニアが含まれるんじゃ。ここで地図をみてみよう。
スウカ
オリエントは中国にもつながりがあったんでしょうか?
ポゥじい
うむ、いい質問じゃ。実は紀元前には、まだオリエントと中国には直接の交流はなかったと考えられておる。だから、もし両者に共通するような文化や知識が見つかっても、それはそれぞれが独立に発見したものだとされてきたんじゃ。

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Author著者・監修

Mathematica 編集部

企画・執筆 (監修:電気通信大学名誉教授)

数学史・科学の物語を届けるオンラインマガジン「Mathematica」が制作。専門家の監修のもと、正確さとわかりやすさの両立を大切にしています。本シリーズは、はじめての方でも物語として読み進められることを目指しています。

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続きは、本編で。

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