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天才ニュートンの頭の中

天才ニュートンの頭の中②ニュートンが選んだ証明の言葉~プリンキピアを紐解く~

難易度 じっくり 2026年秋頃 発売予定
Kindle Unlimited 読み放題 対象
¥900 税込 / Kindle版

About this bookこの本について

楕円とは、わずかにつぶれた円のことです。

見た目の違いはごくわずかなのに、その難しさは天と地ほど違います。円軌道でさえあれほど大変だったのに——「楕円」になった途端、当時の多くの数学者たちが「魔の山」の前で立ち往生しました。円と違い、楕円では距離も速度も刻一刻と変わり続けます。止まった図形を調べるための古い数学では、この「流れ続ける一瞬」を捉えることができません。ニュートンが頼りにしたのは、消えゆく寸前の量を捉える「顕微鏡」のような、新しい考え方でした。

本書は、ニュートンが楕円軌道の謎を解き明かすまでの論理を、対話形式で最初から最後まで追いかける数学史読み物です。

山場は第4章の「主定理」。第2章で手に入れた「消えゆく比」、第3章で自力で証明した「5つの武器」——バラバラだった道具が最後の証明で一つに合体し、式が削ぎ落とされて、最後に残るのはたった一つ。楕円軌道を回る惑星が受ける力は、距離の2乗に逆比例する。ガリレオの落下の法則、ケプラーの楕円軌道——それまでバラバラだった発見が、ひとつの引力の法則のもとで「必然」として組み合わさる瞬間に立ち会えます。

やさしい見た目とは裏腹に、中身は本格派です。逸話やあらすじで『プリンキピア』を「眺める」のではなく、その証明を一歩一歩着実に、自分の頭でたどる——シリーズの中でもっとも骨太で、読み応えのある一冊です。だからこそ冒頭に「この本の読み方」を置きました。分からないところがあっても立ち止まらず、まずは最後まで。二度目に読むとき、きっと景色が変わっています。

全編、ポゥじい・スウカ・カズオの対話形式で進みます。本書は続編のため、『天才ニュートンの頭の中①』からお読みいただくことをおすすめします。

For youこんな方におすすめ

①を読んで「楕円軌道の証明を見てみたい」と感じた方

ケプラーの3法則から出発し、楕円軌道の謎に一歩ずつ迫ります。

楕円軌道と「逆2乗の法則」がどう結びつくのかを、幾何学の証明でたどりたい方

幾何学の図解に、比や式の変形を重ねながら、一歩ずつ証明を積み上げていきます。

物語だけの科学史では物足りない方——証明そのものを、ごまかしなしで味わいたい方

「5つの武器」を自分の頭で積み重ねて核心に迫る、骨太の論理を味わえます。

Contents目次

前半のあらすじ

①のおさらい。円運動における向心力が逆2乗則になることを確認したところから話がつながります。

1 ケプラーの3法則

惑星が「きれいな円」ではなく「楕円」を描くという現実に向き合い、ケプラーの3つの法則をおさらい。第2法則(面積速度一定)を証明し、「面積速度が一定なら、力は必ず中心を向く」という逆命題まで確かめます。

2 消えゆく比と後に残る比〜微分学の源流〜

ゼロになって消える寸前の量の「比」だけを取り出す——ニュートンの「顕微鏡」とも言うべき極限の考え方を解説します。のちの微分学の源流にあたる、本書最大の章です。

3 楕円を紐解く『5つの武器』

楕円という図形を丸裸にする5つの補題を、基本データだけを頼りに一つずつ自力で証明していきます。

4 楕円軌道の正体〜すべての武器を一つに〜

これまで集めた武器をすべて組み合わせ、主定理【命題11】——楕円軌道を描く惑星が受ける力は距離の2乗に逆比例する——を証明します。

5 地球の重心〜ニュートン幾何学の真骨頂〜

ここまでの計算は天体を「ただの点」として扱ってきました。しかし現実の地球は巨大な球。球全体の引力が、まるで中心の一点に集まっているかのように振る舞うことを、幾何学だけで証明します。

6 まとめ

ハレー彗星の予言、そして「天上の法則」と「地上の法則」がひとつに結ばれた意味——『プリンキピア』の物語の締めくくりです。

Preview試し読み

本書は終始、ポゥじいたちの会話で進みます。冒頭の一場面をのぞいてみましょう。

SAMPLE | 本文より
スウカ
博士、こんにちは。前回は最後に「円運動の向心力は逆2乗則になる」というところまでたどり着きましたね。今回はどんな話をきかせてもらえるんでしたっけ?
カズオ
あれー惑星の動きの謎としてはもう答えが出たんじゃなかったっけ? もうゴールでいいんじゃないですか?
ポゥじい
こらこら、カズオくん。さっそく帰ろうとしてどうしたんじゃ?前回やったのは、あくまで「もし惑星の軌道が『きれいな円』だったら?」という、仮定の話(シミュレーション)に過ぎんぞ。
スウカ
そうよ。「円軌道なら逆2乗則で説明できる」ってことは分かったけど、実際の宇宙にある惑星は、きれいな真ん丸じゃなくて、少しひしゃげた楕円を描いてるんでしょ?
ポゥじい
その通り。自然界において、完全な「真円」などというものは滅多に存在せん。彗星も、月も、そして地球も、みんな「楕円軌道」を描いて回っておる。「円」で上手くいった法則が、形が変わった「楕円」でも通用するのか? それとも計算がズレてしまうのか? それを確かめずして、宇宙の法則を見つけたとは言えんのじゃよ。
カズオ
うっ……。円でさえあんなに大変だったのに、楕円になったら計算がめちゃくちゃ難しくなるんじゃ……。
ポゥじい
ふぉっふぉっふぉ。確かに難易度は格段に上がる。当時の多くの数学者たちが挫折した「魔の山」じゃ。
スウカ
魔の山……。でも博士、なんで円がちょっと潰れただけで、そこまで計算が難しくなるんですか?
ポゥじい
うむ。なぜ「円」ではなく「楕円」が魔の山と呼ばれるのか、この2つの軌道を見比べてみるのじゃ。しかしな、ニュートンが成し遂げた真の偉業とは、理想的な円ではなく、この複雑怪奇な「楕円」の動きさえも、たった一つのシンプルな数式で説明しきったことにあるんじゃ。
スウカ
たった一つの数式で……!

―― 続きは電子書籍でお楽しみください ――

Author著者・監修

Mathematica 編集部

企画・執筆 / 数学的内容は名誉教授が監修

数学史・科学の物語を届けるオンラインマガジン「Mathematica」が制作。専門家の監修のもと、正確さとわかりやすさの両立を大切にしています。本シリーズは、はじめての方でも物語として読み進められることを目指しています。

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続きは、本編で。

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