
「速度は時間に比例する」――この一行の証明に、ガリレオは30年を費やした。
前巻『ガリレオの挑戦①』では、ガリレオが実験を重ねながら「速度」という謎に挑み続ける姿を追いました。本書はその続編です。ガリレオが最後の難所にどう立ち向かったか――「比の理論」という古代ギリシアの数学を武器に、速度と時間の関係を幾何学で証明していく過程をたどります。
本書最大の見どころは、「速度は時間に比例する(v∝t)」という命題を、ガリレオが実際に使った幾何学の言葉でたどり直す場面です。現代なら式一本で書ける結論が、古代ギリシアの比の理論を駆使してどのように導かれたか――その道のりを追うことで、「数学の道具が変わると何が変わるのか」という問いが自然に浮かび上がります。
本書はポゥじい・スウカ・カズオの対話形式で進みます。数式や証明も、キャラクターのやり取りを通じて少しずつ積み上げていくため、数学が苦手な方でも置いてけぼりにならないよう工夫されています。前巻『ガリレオの挑戦①』の続編として書かれていますが、冒頭に振り返りを設けているため、本書から読み始めることも可能です。
今なら一行で書ける公式の裏に、ガリレオが積み上げた幾何学の道のりがあります。
現代の計算方法とガリレオの幾何学的証明、2つの道すじで同じ結論にたどり着く体験ができます。
本書の終盤は、続く『天才ニュートンの頭の中』への橋渡しとなっています。
前巻の実験の旅を振り返りながら、「速度は時間に比例する」という結論にガリレオがどう迫っていったのかを追う導入章。
ガリレオが証明の武器とした、古代ギリシアの「比の理論」の基本ルールを解説します。
現代の平方根に相当する「比例中項」という古代ギリシアの考え方を紹介し、後の証明への布石とします。
「等速運動」を厳密に定義し、速度・時間・距離の関係を一歩ずつ積み上げていきます。
現代的な計算方法とガリレオの幾何学的証明を並べて示す、本書最大のハイライトとなる二重証明の章です。
v∝t(速度は時間に比例する)という関係式から、落下距離の公式k=½at²を導き出す過程を描きます。
導いた法則を使って〔ガリレオの公準〕と〔倍距離則〕が本当に成り立つかを検証し、実験と理論の円環が閉じる瞬間を描きます。
ガリレオが解けなかった「速度の正体」の謎が、後にニュートンへどう受け継がれていくのかを予告する章。
ガリレオシリーズ全体を振り返り、続く『天才ニュートンの頭の中』への橋渡しを行う終章です。
本書は終始、ポゥじいたちの会話で進みます。冒頭の一場面をのぞいてみましょう。
落下している物体は、一瞬ごとに速さを変えています。では、その「瞬間の速さ」は、いったい何なのでしょうか。落ち始めた時より地面に落ちる直前の方が速いことは誰でもわかります。しかし、その途中の速さを正確に言葉や数で表そうとすると、意外なほど難しい問題に突き当たります。現代の私たちは、速度を数式やグラフで表すことを当たり前だと思っています。けれどもガリレオの時代には、「変化する速度」をどのように捉えればよいのか、その方法すらわかっていませんでした。目に見えない時間。刻々と変化する速度。そして連続する運動。ガリレオは、この難問に正面から挑むことになるのです。







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