\NEW/
ポゥじいとめぐる「数」の旅

ガリレオの挑戦②速度という名の迷宮から近代科学へ

難易度 じっくり 対話形式 名誉教授監修
Kindle Unlimited 読み放題 対象
¥900 税込 / Kindle版

About this bookこの本について

「速度は時間に比例する」――この一行の証明に、ガリレオは30年を費やした。

前巻『ガリレオの挑戦①』では、ガリレオが実験を重ねながら「速度」という謎に挑み続ける姿を追いました。本書はその続編です。ガリレオが最後の難所にどう立ち向かったか――「比の理論」という古代ギリシアの数学を武器に、速度と時間の関係を幾何学で証明していく過程をたどります。

本書最大の見どころは、「速度は時間に比例する(v∝t)」という命題を、ガリレオが実際に使った幾何学の言葉でたどり直す場面です。現代なら式一本で書ける結論が、古代ギリシアの比の理論を駆使してどのように導かれたか――その道のりを追うことで、「数学の道具が変わると何が変わるのか」という問いが自然に浮かび上がります。

本書はポゥじい・スウカ・カズオの対話形式で進みます。数式や証明も、キャラクターのやり取りを通じて少しずつ積み上げていくため、数学が苦手な方でも置いてけぼりにならないよう工夫されています。前巻『ガリレオの挑戦①』の続編として書かれていますが、冒頭に振り返りを設けているため、本書から読み始めることも可能です。

For youこんな方におすすめ

「v = at」という式がどうやって生まれたか知りたい方

今なら一行で書ける公式の裏に、ガリレオが積み上げた幾何学の道のりがあります。

同じ真理を「幾何学」と「代数」の両方で証明する経験をしてみたい方

現代の計算方法とガリレオの幾何学的証明、2つの道すじで同じ結論にたどり着く体験ができます。

ガリレオからニュートンへ、近代科学がどう発展したかを知りたい方

本書の終盤は、続く『天才ニュートンの頭の中』への橋渡しとなっています。

Contents目次

1 ガリレオと落下の理論

前巻の実験の旅を振り返りながら、「速度は時間に比例する」という結論にガリレオがどう迫っていったのかを追う導入章。

2 ガリレオの武器:古代ギリシアの比の理論

ガリレオが証明の武器とした、古代ギリシアの「比の理論」の基本ルールを解説します。

3 古代ギリシアの平方根「比例中項」

現代の平方根に相当する「比例中項」という古代ギリシアの考え方を紹介し、後の証明への布石とします。

4 基本的な概念:等速運動を定義する

「等速運動」を厳密に定義し、速度・時間・距離の関係を一歩ずつ積み上げていきます。

5 落下する物体の「速度」とは?

現代的な計算方法とガリレオの幾何学的証明を並べて示す、本書最大のハイライトとなる二重証明の章です。

6 落下の理論の完成

v∝t(速度は時間に比例する)という関係式から、落下距離の公式k=½at²を導き出す過程を描きます。

7 ガリレオの法則は本当に成り立つのか?

導いた法則を使って〔ガリレオの公準〕と〔倍距離則〕が本当に成り立つかを検証し、実験と理論の円環が閉じる瞬間を描きます。

8 ニュートンへの架け橋

ガリレオが解けなかった「速度の正体」の謎が、後にニュートンへどう受け継がれていくのかを予告する章。

9 まとめ

ガリレオシリーズ全体を振り返り、続く『天才ニュートンの頭の中』への橋渡しを行う終章です。

Preview試し読み

本書は終始、ポゥじいたちの会話で進みます。冒頭の一場面をのぞいてみましょう。

SAMPLE | 本文より

落下している物体は、一瞬ごとに速さを変えています。では、その「瞬間の速さ」は、いったい何なのでしょうか。落ち始めた時より地面に落ちる直前の方が速いことは誰でもわかります。しかし、その途中の速さを正確に言葉や数で表そうとすると、意外なほど難しい問題に突き当たります。現代の私たちは、速度を数式やグラフで表すことを当たり前だと思っています。けれどもガリレオの時代には、「変化する速度」をどのように捉えればよいのか、その方法すらわかっていませんでした。目に見えない時間。刻々と変化する速度。そして連続する運動。ガリレオは、この難問に正面から挑むことになるのです。

スウカ
博士、『ガリレオの挑戦1』で聞いたガリレオ・ガリレイがたくさんの実験をして「落下の理論」を研究したって話、とても面白かったです! ガリレオって天文学のイメージが強かったけど、斜面から球を転がしたり、振り子の実験をしたり…本当にいろいろな実験をしていたんですね。なかなか正解に辿りつかない事もあったようだし…少しイメージが変わってきました。
ポゥじい
ほっほっ、そうじゃろう。近代科学の父と呼ばれる彼じゃが、最初から魔法のように正解を導き出したわけではないんじゃ。多くの実験や測定を行い、時には間違いながら落下の理論を築いていったのじゃよ。
カズオ
そうそう。ガリレオが試したいろいろな実験、僕は初めて聞く話が多かったな。大砲を水平に飛ばして落ちる時間を観察したり…。あ、そういえば…ガリレオの時代にはまだ時計がなくて、今みたいに簡単に時間を測れなかったんですよね?
ポゥじい
そうなんじゃ。それはとても重要なところじゃ。ガリレオの時代には、現代のような便利な「時計」もなければ、「メートル」のような共通の単位すら存在しなかったんじゃよ。もっと根本的な話をすれば、当時は「時間が測れるものである」という発想そのものがまだなかった。ガリレオはこの巨大な壁に立ち向かったんじゃ。彼は、目に見えない「時間」を初めて「測るべき物理量」として定義した。「時間」を物理学の土台として組み込むことで、ようやく「速度」という正体不明の謎を、数学の言葉で捉える準備が整うというわけじゃ。
カズオ
そうか、時計がないっていうだけじゃないんだ。当時は「時間」という概念そのものが、はっきりしていない状態だった…ガリレオがその土台を創ったってことですね!
ポゥじい
ほっほっ、まさにその通りじゃ。ガリレオが整備したその「時間」という地図があったからこそ、後の科学者たちは迷わずに数学や物理の旅に出られるようになったんじゃ。
スウカ
ガリレオのおかげで土台ができたのはわかりました。でも博士、ガリレオが研究した、肝心の「落下の理論」については、まだぼんやりとしか見えてこないんです。ガリレオがどうやって速度の法則に辿り着いたのか…その一番知りたいところが、まだ謎のままで…。

―― 続きは電子書籍でお楽しみください ――

誌面を拡大して見る

クリックすると拡大表示。左右の矢印でページを送れます。

Author著者・監修

Mathematica 編集部

企画・執筆 (監修:電気通信大学名誉教授)

数学史・科学の物語を届けるオンラインマガジン「Mathematica」が制作。専門家の監修のもと、正確さとわかりやすさの両立を大切にしています。本シリーズは、はじめての方でも物語として読み進められることを目指しています。

Seriesシリーズの他の巻

続きは、本編で。

ポゥじいたちと一緒にたどってみませんか。

Amazonで購入する(¥900)