ポゥじいとめぐる「数」の旅

実数とは何か?有限と無限をつなぐ数の世界

難易度 ふつう 対話形式 名誉教授監修
Kindle Unlimited 読み放題 対象
¥900 税込 / Kindle版

About this bookこの本について

「0.999…は1と等しい」――無限をめぐる、2000年の数学史。

πや√2のように、どこまでも続く小数を「ひとつの数」として扱えるのはなぜか。この問いが数学の世界で解決されるまでには、古代から19世紀まで続く長いドラマがありました。

「無限」という捉えどころのない概念を、数学者たちはどうやって手なずけていったのか。アラビア数学の発展、解析学の誕生、そして19世紀の数学者たちが辿り着いた「実数」という緻密な構造――人類がこの超難題に向き合った歴史は、一つの壮大な物語です。

本書は、これから続く『ガリレオの挑戦』『天才ニュートンの頭の中』へと連なる、壮大な科学革命の見取り図となる一冊でもあります。昔の天才たちがどのような論理の迷宮に迷い込んだのかは次作以降で詳しく描かれますが、本書を読めば、彼らが最終的にたどり着いた「実数」と「無限」の正体、そして現代数学の全体像がハッキリと見渡せるはずです。

全編、ポゥじいと生徒たちの対話形式で進みます。難しい概念も会話の流れで自然に理解できるので、数学が苦手な方でも安心して読み進められます。

For youこんな方におすすめ

「無限ってなに?」「0.999…って本当に1なの?」と気になったことがある方

素朴な疑問こそが、2000年間数学者を悩ませてきた大問題の入口です。

数学の概念の歴史的な背景を知りたい方

アラビア数学から19世紀まで、「実数」という当たり前の概念が確立するまでの長い道のりをたどります。

難しい数式は苦手だけど、数学の深さを味わいたい方

対話形式で一歩ずつ進むので、式を追うのが苦手な方でも「無限」という概念の奥深さを味わえます。

Contents目次

1 実数とは「終わりなき物語」

「0.999…は1と等しいのか」という問いから出発し、πや√2のようにどこまでも続く数を「ひとつの数」として扱う不思議さに迫る導入章。

2 宇宙と"無限" ── 限りある世界に潜む果て

有限に見えるこの世界の中に、いかに「無限」という概念が潜んでいるかを、身近な比喩を通じて考えます。

3 数の源流をたどって ── アラビア数学と代数

アラビア数学と代数の発展をたどり、数の概念がどのように広がっていったのかを解説します。

4 解析学の夜明け

微積分・解析学が生まれる直前の時代背景を紹介し、「実数」概念が求められていく流れを追います。

5 動き出した数学 ── 「速度」と微分の謎

「速度」という捉えどころのない量を通じて、微分という考え方がどのように生まれたのかを追います。続くガリレオ・ニュートン編への伏線となる章です。

6 無限小論議

「無限に小さい量」をめぐる数学者たちの論争を紹介し、その扱いの難しさと危うさを解説します。

7 数直線 ── 無限を受け入れた線

数直線という考え方が、どのように「無限」を受け入れる形へと整備されていったのかを、19世紀の数学者たちの仕事を通じて解説します。

8 まとめ

本書全体を振り返り、続く『ガリレオの挑戦』シリーズ・『天才ニュートンの頭の中』への橋渡しを行う終章です。

Preview試し読み

本書は終始、ポゥじいたちの会話で進みます。冒頭の一場面をのぞいてみましょう。

SAMPLE | 本文より

本書は、これから続く『ガリレオの挑戦』『天才ニュートンの頭の中』へと連なる、壮大な科学革命の見取り図となる一冊です。昔の天才たちがどのような論理の迷宮に迷い込んだのかは次作以降で詳しく描かれますが、本書を読めば、彼らが最終的にたどり着いた「実数」と「無限」の正体、そして現代数学の全体像がハッキリと見渡せるはずです。

カズオ
はぁ……。
スウカ
カズオくん。難しい顔をしてどうしたの?
カズオ
今日学校の数学の時間で「円周率(π)」がでてきてさ。先生が「これは無限に続く数だ!」っていってたんだよね。で、ふと思ったんだ。「終わりがない」って、なんか変じゃない?数って、ふつうは「りんごが3個」とか「長さが10cm」って答えがビシッと決まるものでしょ?なのに「終わらない数」って…そんなの、本当に「数」って言えるのかな?
スウカ
たしかに、どこまでも続くっていうのは不思議だよね。でも、現代の数学では「終わらない」こともちゃんと扱うんだよね。πもそのひとつの例ってことかな。
ポゥじい
ふむ、よいところに気づいたのう。πというのは、たしかに不思議な数じゃ。「π=3.141592…」と、どこまでもどこまでも続いておるが、決してデタラメではない。円の直径と円周の比――つまり、形の中から生まれる数なのじゃ。
ポゥじい
そしてこのπという数は、実は「実数」と呼ばれる大きな仲間のひとつなんじゃ。「実数」とは、整数や分数のように終わりのある数も、πや√2のようにどこまでも続く数も、すべてひとまとめにした"数の世界のすべて"を指すのじゃよ。
ポゥじい
たとえば円周率のπは、永遠に小数が続いていくわけじゃが、これがどれほど途方もないことか想像できるかな?仮に宇宙がビッグバンで誕生してから約138億年、一瞬も休まずに1秒に1万桁ずつノートに書き続けたとしよう。それでも、いま書き終わっているのはせいぜい「10の21乗(10垓・がい)」桁ほど。これはとてつもない量に見えるが、実数の「無限」の前では、ほんの「書き出しの数行」にすぎん。どれだけ時間をかけても、決して終わりにはたどりつけぬ。実数とはな、まさに「終わることのない物語」。その背後には、底なしの無限が横たわっておるのじゃ。
スウカ
それって、数学でいう無限小数ってことですか?
ポゥじい
そうじゃ。ちなみに今の高校では、「実数とは、数直線上の点のこと」とサラリと教えておるようじゃな。しかし、ある高校の先生がこう言っておったそうじゃ。「生徒から『先生、直線には本当に"点"なんてあるんですか?』と聞かれて、答えに困ってしまった」とな。これは一見、子どもの素朴な疑問のように思えるが、実は実数という概念の核心を突いた、なかなか鋭い質問なのじゃよ。「点とは何か?」「直線とは何か?」そして「それと"数"とはどう関係しているのか?」。これらは古代ギリシア以来、あまたの天才たちが悩み、ずっと議論されてきたきわめて深い問いなのじゃよ。

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Author著者・監修

Mathematica 編集部

企画・執筆 (監修:電気通信大学名誉教授)

数学史・科学の物語を届けるオンラインマガジン「Mathematica」が制作。専門家の監修のもと、正確さとわかりやすさの両立を大切にしています。本シリーズは、はじめての方でも物語として読み進められることを目指しています。

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続きは、本編で。

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