暦の役割と時間の定義
時間と何か
暦(カレンダー)は私たちが生活する上でなくてはならないものです。皆さんは1年の定義や1日の定義について考えたことがありますか?「1年は365日、1日は24時間に決まっているでしょう?」と思われるかもしれません。「地球が約365日かけて太陽の周りを一周するから1年は約365日」と答える方も多いと思います。私たちは時計やカレンダーのある生活が当たり前になっているので「時間の定義とは?」などと考えること機会はあまりないと思います。今回は1日や1年はどのように定義されているのか、詳しく見てみましょう。
これまで本連載では、1年を360日とみなすとか、地球や月が円軌道を回っていることにするなど、単純化して天文のお話をしてきました。今回はもう少し精密な議論をしましょう。
「時間の定義」の変遷
現代の天文学は非常に精密なものになってきています。例えば“時間”の定義は時代と共に変わってきていますし、定義も複雑です。
もともとは地球が1回転する速度をもとに時間を定義していたのですが、1日の長さは夏と冬では異なることから、“1日の長さの平均値”を基準とすることに変更しました。しかしやがて、自転の速度も毎年少しずつ遅くなっていくことが分かったので、地球が太陽のまわりを一周する時間、つまり1年を基に定義することにしました。ところが公転周期も200年に約 0.5秒ほど遅れることが判明したのです。200年でたったの 0.5秒です。 そこで、1967年の国際度量衡総会で、セシウム133という原子が出す周波数を基に“秒”が定義されました。その後も“秒”のより正確な定義方法が何度も提案されています。
ここでは時間の詳しい定義は省略し、「1日=24時間」を認めることとします。
この先で扱う内容
- 1年の定義:1太陽年と1恒星年
- 太陽年とは何か
- 恒星年とは何か
- 1太陽年と1恒星年の差
- 古代では1年をどのように測定していたか?
- シリウスの観測 〈古代エジプトの例〉
- 夏至の日の測定 〈古代バビロニアの例〉
- 1日の定義:1太陽日と1恒星日
- 太陽日とは何か
- 1太陽日と1恒星日の差
- 地球の1年間の回転数
- 古代における1恒星日の計算
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