歳差運動とは何か
太陽年と恒星年の差を考える
〔 第10回 1日の定義と1年の定義 〕では、地球が太陽のまわりを360°回る時間(1恒星年)と、夏至点から次の夏至点までの時間(1太陽年)とには少し差があるというお話をしました。どうしてこの差が出てくるのでしょう。今回は地球の動きと歳差運動について詳しく見てみましょう。
図1 を見てください。

地軸は公転面に対して τ= 23.4 度傾いています。A の夏至の日から出発し、次の夏至の日はB です。一周までは少し足りません。∠ASB を計算してみましょう。
1太陽年 = 365.2422日
1恒星年 = 365.256363日
ですから

50秒角というのは 50/60² 度です。太陽を1周するのにどれくらいかかるか計算してみましょう。

太陽を一周するのに2万6千年という途方もない時間がかかります。
歳差運動 : 地球のスリコギ運動
2万6千年を6千5百年ずつに4等分したのが 図2です。

6千5百年後の地軸はこちら側に倒れています。公転面も天球から見たら点とみなしてよいので、これらを一カ所にまとめたのが 図3 です。

図3で示されるように、地球の地軸はコマが止まる直前の首振りのような回転運動をします。あるいは“スリコギ”をご存知の方には「スリコギ運動」といった方がよいかもしれません。これを歳差運動と言います。
この先で扱う内容
- 動かない星、北極星も移動している!?
- 古代の星座
- 古代には天の北極に北極星はなかった
- バビロニア人は春分点移動を知っていた
- バビロニアの天文学:歳差の発見
- 占星術と国家の運命
- 円一周 360度、“角度”の発明
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