レオナルド・ダ・ヴィンチ とは?
イタリア、ルネサンス期の芸術家・建築家。「モナ-リザ」「最後の晩餐」など数々の名画を残し、芸術家としてだけでなく、建築、数学、解剖、航空工学など幅広い分野で業績を残しました。「数学的科学によって証明されていないものは確実性がない」とか「知識だけに頼っている人は知性や精神の力を捨てている」などといった名言を残しています。数学は独学でしたが、歳をとるにつれて愛するようになった数学を「芸術家の必須条件」と述べています。
遠近法と「最後の晩餐」
ダ・ヴィンチの代表作の一つに「最後の晩餐」があります。この絵は、イエス・キリストが12人の弟子たちと共に最後の食事をしている場面を描いたものです。この作品で注目すべきは、彼が巧みに使用した遠近法です。遠近法とは、遠くの物が小さく、近くの物が大きく見えるように描く技法で、絵に奥行きと立体感を与えます。
「最後の晩餐」では、イエス・キリストが中央に配置され、背後の背景が奥深く続くように描かれています。この遠近法により、見る者があたかもその場にいるかのような臨場感を感じさせます。
--Advertising--
天才が描いた「モナ・リザ」
もう一つ、世界的に有名なダ・ヴィンチの作品に「モナ・リザ」があります。彼の卓越した技術と観察力が結集したこの絵は、今も多くの人々を魅了しています。特に注目されるのが、「モナ・リザ」の神秘的な微笑みです。この微笑みの背後には、ダ・ヴィンチの卓越した技法が隠されています。
彼はスフマートと呼ばれる技法を用いて、輪郭をぼかし、柔らかい光の効果を生み出しました。この技法により、モナ・リザの表情は見る角度や光の当たり方によって変化し、非常にリアルで複雑な感情を感じさせます。まさに、天才が生み出した奇跡の作品です。
レオナルド・ダ・ヴィンチと数学
ルネサンス期はギリシアの幾何学が絶賛されおおいに持ち上げられた時代です。当時の知識人は実に幅広い知識と教養を身に着けていました。何人もの芸術家は一流の数学者でもありました。多くの画家は、絵画をきわめるには数学が必要だと唱えています。レオナルド・ダ・ヴィンチも著書『絵画論』の冒頭で次のように述べています。「数学に強くないものは、私の著作を読んではならない」
このことからもダ・ヴィンチが数学をどれほど重要視していたかがわかります。彼にとって、数学は単なる計算の技術ではなく、自然や芸術の背後にある真理を解き明かす鍵だったのです。
レオナルド・ダ・ヴィンチとプラトン立体
ダ・ヴィンチの友人にルカ・パチョーリという修道士がいました。彼は複式簿記を広めた人としても有名ですが、数学を神学の一部だと考えていました。パチョーリは多数の数学の本を書いています。黄金比を扱った『神聖な比例』という著作は、黄金比に関して後世の人々に絶大な影響を与えました。この本の中でダ・ヴィンチは「プラトンの立体」とよばれる図形のイラストを描いています。このイラストの正確さは有名で、実際に模型を作って描いたのではないかといわれています。
関連記事以下の記事で詳しく解説しています++。
ウィトルウィウス的人体図
「レオナルド・ダ・ヴィンチの絵のなかには黄金比が隠されている」という説が多くの本で述べられています。その中でも有名なのが「ウィトルウィウス的人体図」です。ウィトルウィウス的人体図には黄金比が隠されているのでしょうか?
関連記事以下の記事で詳しく解説しています++。