PROFILE:No. 17 ルネサンスの天才芸術家

レオナルド・ダ・ヴィンチ

  • 時代 1452 - 1519
  • 出身地 イタリア
  • 肩書き 画家・建築家・彫刻家
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レオナルド・ダ・ヴィンチ とは?

イタリア・ルネサンス期を代表する芸術家であり、建築家・科学者・発明家でもある多才な人物です。「モナ・リザ」や「最後の晩餐」などの名画で知られる一方、建築、数学、解剖学、航空工学など、実に多岐にわたる分野で足跡を残しました。


彼は「数学的な証明がないものに確実性はない」「知識に頼る者は、精神や知性を捨てているようなものだ」といった名言を残しています。数学は独学で学びましたが、晩年にはその魅力に深く惹かれ、「芸術家にとって数学は欠かせない」と語っています。

遠近法と「最後の晩餐」

レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作『最後の晩餐』は、イエス・キリストと12人の弟子が最後の晩餐を囲む瞬間を描いた作品です。この絵で特に注目されるのが、巧みに用いられた遠近法です。遠近法とは、近くのものを大きく、遠くのものを小さく描くことで、画面に奥行きと立体感を与える技法です。

『最後の晩餐』では、イエスを中央に配置し、背後の建築空間が一点へと収束する構図をとっています。この技法により、鑑賞者はまるでその場にいるかのような臨場感を味わうことができます。

天才が描いた「モナ・リザ」

もう一つ、世界的に有名なダ・ヴィンチの作品に「モナ・リザ」があります。彼の卓越した技術と観察力が結集したこの絵は、今も多くの人々を魅了しています。特に注目されるのが、「モナ・リザ」の神秘的な微笑みです。この微笑みの背後には、ダ・ヴィンチの卓越した技法が隠されています。

彼はスフマートと呼ばれる技法を用いて、輪郭をぼかし、柔らかい光の効果を生み出しました。この技法により、モナ・リザの表情は見る角度や光の当たり方によって変化し、非常にリアルで複雑な感情を感じさせます。まさに、天才が生み出した奇跡の作品です。

レオナルド・ダ・ヴィンチと数学

ルネサンス期は、古代ギリシアの幾何学が再評価された時代であり、芸術と数学が密接に結びついていました。多くの画家が、絵画を極めるには数学の理解が不可欠だと考えており、ダ・ヴィンチもその一人です。

彼は著書『絵画論』の冒頭で「数学に通じていない者は、私の著作を読むべきではない」と述べ、数学を極めて重要視していました。ダ・ヴィンチにとって数学とは、自然や美の背後に潜む真理を解き明かす手段だったのです。

プラトン立体と『神聖な比例』

ダ・ヴィンチは数学者ルカ・パチョーリと深い交流がありました。パチョーリは修道士であり、複式簿記を広めただけでなく、数学と神学を結びつける思想を持っていました。彼の代表作『神聖な比例』では、黄金比の美と神秘について述べられており、ダ・ヴィンチはこの書物のためにプラトン立体(正多面体)の精密な挿絵を手がけました。立体的な構造を忠実に描いた彼の図版は、模型を用いたとも言われるほど正確で、数学と芸術の融合を象徴するものとなっています。

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プラトン立体とは?五つの正多面体をわかりやすく解説

ウィトルウィウス的人体図

レオナルド・ダ・ヴィンチの絵には黄金比が隠されている」という説は多く存在します。中でも代表的なのが『ウィトルウィウス的人体図』です。この図は、人間の身体の比率と幾何学的調和を視覚的に表現したもので、古代ローマの建築家ウィトルウィウスの理論を元にしています。

この人体図にも黄金比が関係しているとされ、ダ・ヴィンチが人体の美と数学的秩序をどれほど深く結びつけていたかがわかります。

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5-4.ウィトルウィウス的人体図と黄金比

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