PROFILE:No. 12 世界を記録した「歴史の父」

ヘロドトス

  • 時代 前484-前425頃
  • 出身地 ギリシア(小アジアのハリカルナッソスの名門の生まれ)
  • 肩書き 歴史家

ヘロドトス とは?

古代ギリシアの歴史家で、「歴史の父」と呼ばれています。彼の著作『歴史』は、西洋における最も古い歴史書であり、世界の様々な地域や文化を網羅し、歴史学の基礎を築きました。

時代背景 ヘロドトス が活躍した時代はどんな時代?

ヘロドトスは、小アジア(現在のトルコ)のハリカルナッソスという都市で生まれました。当時のギリシャ世界は、ペルシャ帝国と対立し、特にペルシャ戦争がギリシア全土に大きな影響を与えていました。

周辺背景 ヘロドトス が活躍した国とその周辺情報

ヘロドトスが生きたギリシア世界は、都市国家(ポリス)がそれぞれの独自文化や政治体制を持つ複雑な社会でした。また、地中海を中心に文化や経済が交わる場所であり、多くの民族が混ざり合っていました。

歴史の父ヘロドトス

ヘロドトスは、多くの地域を訪れ、エジプト、メソポタミア、ペルシアなどを旅し、その土地の歴史や文化、風習についての情報を収集しました。彼の旅行記や歴史記述は、単なる出来事の羅列ではなく、人々の文化や習慣を理解することに焦点を当てています。

ヘロドトスの著作「ヒストリアイ」はペルシア戦争を中心に、ギリシア世界とその周辺の民族の歴史が描かれています。ヒストリアイは『歴史』と訳されていますが、彼が用いたヒストリアイは「調査する」という意味の動詞ヒストレオから派生したものです。

『歴史』のような紀行文や歴史が書かれるようになったのはヘロドトスからです。『歴史』は、現在の歴史の教科書のような事実の羅列ではなく、人びとに面白く伝える読み物です。古い伝承や人から伝え聞いたお話が多く含まれており、同時代の事件でも登場人物の会話を交えた、さながら演劇の台本のようでした。ヘロドトスは「歴史の父」とも呼ばれています

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ピラミッドの謎

ヘロドトスが活躍した時代はギリシア古典期の終わりごろで、多くのギリシア人がエジプトの進んだ文化を学びに訪れています。これを「エジプト詣で」と呼んでいる歴史家もいます。ヘロドトスもエジプトを訪れ、当時のエジプトの風習や文化を生き生きと伝えています。

「ピラミッドの謎」に関する著作の中にはヘロドトス文書なるものがよく出てきています。長い間多くの偉人たちを魅了してきたピラミッドの謎とは?古代エジプトの『数』に関する3つの謎を解き明かす連載はこちらから▼

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歴史の記述と「暦」

ヘドロトスは『歴史』をアテナイの人々のために書きました。アテナイ暦の1月は、夏至の直後の新月に始まります。しかしヘロドトスは1年を春に始まることにしています。これはメソポタミアの多くの国、特に大国ペルシアに合わせたのだと思われます。ヘロドトスは歴史家として年代を世界標準に合わせる必要があったのでしょう。

歴史の記述には「暦」が必要です。古代ギリシアの暦については以下で詳しく説明しています▼

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第7回 古代ギリシアの暦:歴史の父ヘロドトスと暦

ヘロドトス の名言

エジプトはナイルの賜物

この言葉はナイル川がエジプトの文明に不可欠な存在であることを表現しています。ナイル川は、エジプトに豊かな土壌と水をもたらし、農業を支えました。毎年の定期的な氾濫によって、周辺の土地には肥沃な土が堆積し、エジプトの人々はこの自然の恵みによって作物を育て、豊かに暮らすことができました。