ユリウス暦 とは

ユリウス暦とは?
私たちが日常で使っているカレンダーのルーツは、2000年以上前のローマにさかのぼります。現在の暦の基礎を築いたのは、あの有名な軍人で政治家でもあるユリウス・カエサルでした。当時、季節と日付がずれてしまう曖昧な暦を正すために、カエサルはエジプトの知識を取り入れた新たな太陽暦を導入しました。それが「ユリウス暦」です。この記事では、ユリウス暦誕生の背景と、その影響についてわかりやすく解説します。
カエサルが導入したユリウス暦
紀元前45年、ローマの将軍ユリウス・カエサルは、暦の大改革を行い、「ユリウス暦」として知られる太陽暦を導入しました。これは、それまで使われていた太陰太陽暦が、閏月の挿入ルールがあいまいだったために、季節とのずれが生じていたことに対処するためでした。
カエサルは、エジプトに滞在した際に出会った天文学者ソシゲネスの助言を受け、ローマ暦をエジプト式の太陽暦に基づいたものへと改めます。新しい暦では、1年を365日と定め、4年に1回、閏年として1日を加える制度を採用しました。これにより、太陽の運行に合わせた正確な暦が実現したのです。
古代ローマと暦の改革
紀元前1世紀、ローマは地中海全域を支配する巨大な帝国に成長していました。ギリシアやエジプトといった古代文明の中心地も次々と征服され、最後のヘレニズム国家であったエジプトもローマの属州となります。この時代に台頭したのが、ユリウス・カエサルです。
当時のローマ暦は季節と大きくずれ、実際の暦日と農耕や祭礼の時期が一致しなくなっていました。そこでカエサルはソシゲネスに命じて、暦の再編を行わせます。新たなユリウス暦では、月の日数が29日、30日、31日と調整され、2月のみが閏年で日数が増える仕組みとなりました。
この新しい暦は紀元前45年1月1日から施行され、その日は冬至後の最初の新月とされました。さらにカエサルは、自身の誕生月である7月に「ユリウス(July)」という名を与え、自らの名を暦に刻みました。
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現在私たちが使っているグレゴリオ暦はユリウス暦を改定したものです。
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まとめ
ユリウス暦は、ローマの将軍ユリウス・カエサルが紀元前45年に導入した太陽暦で、1年を365日、4年に1度の閏年という仕組みを持っています。この改革は、エジプトの天文学者ソシゲネスの助言によるもので、暦の季節ずれを解消する目的で行われました。ユリウス暦はその後、16世紀にグレゴリオ暦に改訂されるまで、ヨーロッパ中で広く使われ続け、現代のカレンダーの原型となりました。カエサルの暦改革は、政治・科学・宗教が交差した古代ローマの知の結晶とも言える画期的な出来事でした。