PROFILE:No. 4 今日の科学に多大な影響を与えた「数学の王」

ガウス

  • 時代 1777 - 1855
  • 出身地 ドイツ
  • 肩書き 数学者

ガウス とは?

ガウスはドイツ出身の数学者で、整数論、虚数、級数など、近代数学のさまざまな分野に多大な影響を与えた人物です。アルキメデスやニュートンと並び「世界三大数学者」の一人とされ、その業績は現代数学や物理学の礎となっています。

時代背景 ガウス が活躍した時代はどんな時代?

18世紀後半から19世紀半ばにかけて、ヨーロッパは産業革命の波に包まれ、大きな社会的変革の時代を迎えていました。経済の発展とともに啓蒙思想が広まり、自然科学や数学の分野でも多くの革新的な発見が生まれた時期です。ガウスもこうした時代の中で、若くして数学界に名を刻みました。

周辺背景 ガウス が活躍した国とその周辺情報

ガウスが活動したドイツでは、産業の近代化や都市化が急速に進んでいました。これに伴い、知識人層や研究者が台頭し、学問の発展が促進されました。ガウスはこうした知的環境の中で、数学のみならず天文学や測地学など多分野にわたる研究を行い、ドイツ科学界の中心人物として活躍しました。

言葉を話す前に計算をしていた!?

カール・フリードリヒ・ガウスは1777年ドイツのブラウンシュヴァイクという町で生まれました。父親はレンガ職人をしており、教育とは縁遠い家庭環境に育ちましたが、幼い頃から神童ぶりを発揮していたと言われています。驚くべきエピソードとして知られるのが、彼がわずか3歳の時、父親が家計の記録を間違えていたのをすぐに修正したという逸話です。のちにガウス自身も「自分は言葉を話しはじめる前に計算をしていた」と語っています。

彼が小学生の頃のエピソードも有名です。ある日、先生が生徒たちに「1から100までの数を全部足しなさい」という問題を出しました。このような計算には通常時間がかかりますが、ガウスはすぐに答えを導き出しました。彼は、1と100、2と99、3と98…という形で対を作り、合計をすばやく計算し、正しい答え(5050)を瞬時に求めたと言われています。

素数定理の予想

1 と自分自身以外に約数を持たない自然数のことを素数といいます。素数が無限に存在することは古代ギリシアのユークリッドが示していましたが、次の素数がいつ現れるのかは予測できません。ガウスは15歳の時に、自然数を1000ずつ区切ってその中に現れる素数の数を数えました。そして、自然数の中に素数が現れる頻度が徐々に減っていくことを予想しました。これは後に別の数学者によって証明され「素数定理」と呼ばれています。

関連記事以下の記事で詳しく解説しています++。

ユークリッド(エウクレイデス)

ガウス記号(ガウスの整数部分記号)

「ガウス記号」とは、数学における床関数(フロア関数)としても知られるもので、ある実数 x に対して、その数以下の最大の整数を表す記号です。記号としては、通常 ⌊x⌋と書かれ、これは「ガウスの床関数」や「ガウスの記号」と呼ばれます。

具体例を挙げると、次のようになります。

⌊3.7⌋=3 (3.7以下の最大の整数は3)
⌊−2.1⌋=−3 (-2.1以下の最大の整数は-3)

ガウス記号は、数論や解析学の様々な分野で利用され、特に整数論や近似に関する議論で重要な役割を果たします。

ガウスの法則

ガウスは物理学の分野にも大きな貢献をしました。特に、電磁気学の分野で重要な「ガウスの法則」を発見しました。これは、電場と電荷の関係を説明する基本的な法則で、今日の電磁気学の基礎を築いたものです。ガウスは、物理学における多くの理論的な問題にも精通しており、彼の業績は数学だけでなく、物理学全般に及びます。

Related people

- 関連人物 -