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無理数 とは

無理数とはどのような数か

無理数とは有理数でない実数のことです。有理数は、分子 a と分母 b が共に整数の分数 a / b として表わされる数です。実数を分類すると以下のようになります。

無理数とは

「1」「2」「3」のようにものの個数を数える時に使う数を自然数といいます。自然数に「0」と「-1」「-2」「-3」といった負の数を合わせた数を整数といいます。このほかに整数の比で表される分数や小数があります。

例を見てみましょう。「0.125」は1/8のように整数の分数として表されます。このように小数点以下の数が有限個で終わるものを有限小数といいます。「0.3333… 」や 「0.123123… 」は小数点以下の数が無限に続きます。このような数を無限小数といいます。「0.3333… 」や 「0.123123… 」の小数点以下の数は、決まった数の並びが繰り返して続いています。決まった数の並びが循環しながら続く小数を循環小数といい、整数の分数として表すことができます。有理数は整数、有限小数、循環小数のいずれかで表すことができます。

一方、円周率πや√2などは π = 3.141592⋯、√2 = 1.41421356⋯と規則性のない数が無限につづきます。このような数は整数からなる分数では表すことができません。

有理数と無理数 有理数は整数、有限小数、循環小数

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数の歴史

古代では“数”と認識していたのは自然数だけでした。数の概念は徐々に拡張されていき、長い年月をかけて実数という概念に到達しました。

無理数は有理数でない実数と定義していますが、このような定義ができるためには、「実数とは何か」がはっきりしていなければなりません。しかし実数の定義がなされるようになったのは19 世紀になってからです。

私たちはどのようにして「数」の概念にたどり着いたのでしょうか。人類の進化と進歩の歴史を辿るWeb連載 『数の発明』もぜひご一読ください。

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無理数の発見 – ピタゴラスのお話より –

あるときピタゴラスは 正方形の対角線の長さが無理数であることを発見しました。つまり、正方形の1 辺と対角線が数(自然数)の比として表すことができないのです。「万物は数である」というのがピタゴラス学派の信条です。正方形のような基本的な図形の中に教理に反するものが隠されていようとは! このままではピタゴラス教団は崩壊しかねません。教団は口の堅い秘密結社でした。「無理数の発見」は教団の“ 秘中の秘”とされました。

しかし、無理数は幾何学図形のいたるところで見つかります。ピタゴラス教団は幾何学に取りつかれた人々の集まりです。新しい発見を隠し通すことは難しかったに違いありません。教団の一人のはヒッパソスという人物が、とうとう秘密を漏らしてしまいます。教団の掟を破った罪として、ピタゴラスはヒッパソスを船の上から突き落とし、溺死させたといいます。この危機を脱するため、ピタゴラスは“ 量” という概念を考え出し、“ 数”(自然数)から“ 量” を切り離したとされています。

ピタゴラス学派に関するこのようなお話はたくさん残っていますが、実は後世に生み出されたお話が混在しています。

ピタゴラスに関するお話はこちらでも紹介しています▼
古代ギリシアの数学者ピタゴラスのお話[Vol.1]

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