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ホルスの目 とは

ホルスの目はエジプトの壁画などによく描かれている呪力を持ったおまじないの絵です。この絵にはどのような意味があるのでしょうか。

古代エジプトの神、ホルスとは

ホルスは古代エジプトの天空の神で、ハヤブサの姿で表されます。オシリス神話ではオシリスとイシスの子です。父オシリスがその弟セトにより殺害されたため、のちにその仇を討ち、上下エジプトの王となりました。

ホルス

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オシリス神話

ホルスはオシリスとイシスの子で、敵役はオシリスの弟セトです。オシリスは王位を引き継ぎ、地上の人びと全部から崇拝される賢明な王となります。弟のセトはこれをねたみ、王位を奪い取ろうと企みます。セトはオシリスを殺害し、息子のホルスとの激しい戦いが繰り広げられます。この戦いの中、ホルスはセトに目を引き裂かれてしまうのでした。

ホルスはズタズタにされた目をトトに直してもらいます。ホルスは治った目を、今は黄泉の国の王である父オシリスに渡します。このようにして、ホルスのよい目は昼を照らす太陽となり、父に渡した目は夜を照らす月となったといいます。

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2-4. オシリス神話

ホルスの目とエジプト分数

どんな言語にも、1より小さい数を表す「半分( half )」とか「四半分( quarter )」という単語があります。古代エジプトでは、これに加えさらに 八分、十六分、三十二分、六十四分までありました。今ではあまり使われませんが、日本語にも「八分」や「十六分」という表現があり、「八分の一」「十六分の一」という意味で使われます。日本語では「八分」のように「数詞+分」の形で表ますが、古代エジプトではこれらは単一の概念で、それぞれが一つの記号で表されていました。

ホルスはオシリス神話の中で適役のセトと戦い、目を引き裂かれてしまいます。引き裂かれた目の各部分は1/2, 1/4, 1/8, 1/16, 1/32, 1/64が当てはめられています。つまりホルスの目のそれぞれの部分が6つの分数を表しています。

ホルスの目

数の発達はまず「自然数のかけ算、割り算」から始まります。古代エジプト人は1より小さい数としてホルスの目、つまり2進分数を考え出しました。

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3-1.古代エジプトの数の扱いと単位

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