
「ユークリッド幾何学」でおなじみの幾何学の父
ギリシア語名「エウクレイデス」。英語ではユークリッド(Euclid)という。ヘレニズム時代の前300年ごろ活躍したギリシアの数学者。 数学史上もっとも有名な『原論』の著者
ユークリッドは、古代ギリシャを代表する数学者のひとりで、今日の数学の基礎ともいえる大著『原論』の著者として広く知られています。
― ユークリッドが活躍した時代背景 ―
代表的な業績を、関連する連載・記事とあわせて紹介します。
ユークリッドは、古代ギリシャ数学の集大成ともいえる名著『原論』の著者として広く知られています。
この『原論』は、幾何学を体系的にまとめた最初の教科書であり、後世に大きな影響を与えた歴史的名著です。
「聖書以外で、世界中でもっとも多く読まれた書物」と称されることもあり、ヨーロッパでは中世から近世にかけて、多くの数学者がこの本で幾何学を学びました。また、長らく大学の数学教科書としても使われ続けました。
ユークリッドがこの書物の中で構築した幾何学の体系は、のちに「ユークリッド幾何学」と呼ばれるようになります。幾何学とは、図形や空間の性質を論理的に扱う数学の分野であり、『原論』はその出発点を築いた不朽の一冊といえるでしょう。
完全数(かんぜんすう)とは、自分自身を除く約数の和が、その数自身に等しくなる自然数のことです。この概念は、古代ギリシャのピタゴラス学派において神秘的な意味をもつ特別な数とされていました。
たとえば 6 の約数は 1, 2, 3, 6 ですが、6自身を除いた 1 + 2 + 3 = 6 となるため、6は完全数です。同様に、28 や 496 なども完全数として知られています。
ユークリッドは著書『原論』の中で、完全数に関する定理を次のように証明しています。
2n+1-1が素数なら、(2n+1 - 1 )×2ⁿは完全数である。
(『原論』第9巻命題36)
「素数は無限個存在する」という定理は、古代ギリシャの数学者ユークリッドが著した『原論』の中ですでに証明されています。
原論では現代のように「無限個ある」とは書かれておらず、「素数の個数はいかなる個数の素数よりも多い」という形で記述されています。
これはつまり、「どんなに多くの素数を挙げても、それよりもさらに多くの素数が存在する」ということを意味します。
“無限にある”ことを示すには、「任意に定められた個数よりも多い」ことが言えれば十分です。
実際、ユークリッドの証明ではわずか3個の素数を例に取り、それより多くの素数が存在することを示しています。
このシンプルかつ論理的な証明は、後世の数学者たちから「最も美しい証明のひとつ」と称され、今なお多くの数学書に引用されています。

