古代エジプトではどのような方法で5個のパンを8人に分けていたか?〜エジプト分数の考え方〜

古代エジプトではどのような方法で5個のパンを8人に分けていたか?〜エジプト分数の考え方〜

古代エジプト数学の特徴の一つは、エジプト分数と呼ばれる数を用いていることです。「エジプト分数は、幼稚で制限の多い方法だ」という意見をこれまでよく聞きました。“数”は一度習得して慣れてしまうと異質のものはなかなか受け入れがたいものです。現代人の私たちから見れば、原始的で奇妙な方法に見えるかもしれませんが、先入観を持たずにまずよく理解することが必要です。エジプト分数はとても理にかなった記数法ですし、アルキメデスのようなヘレニズム期の数学者たちや、フィボナッチなど中世ヨーロッパの数学者もエジプト分数を用いています。古代エジプトの人々が扱っていたエジプト分数とはどのようなものなのかを見てみましょう。

古代エジプトの数学書リンド・パピルスには「何個かのパンを何人かで等分する」という問題がいくつか収録されています。例えば、「5個のパンがある。8人に公平にわけなさい」というような問題です。この問題に対して、現在の私たちなら「8分の5」と答えると思います。エジプト数学では次のように考えます。5個のパンをそれぞれ半分に割ります。すると 1 2のパンが 10切れできます。これを8人に分けると、2切れ残ります。この2切れそれぞれを4つに割ります。すると 1 8のパンが8切れでき、8人に分けることができます。このように古代エジプト人は、現在の私たちとは違った考え方で答えを導いていたようです。具体的な問題を解きながら、古代エジプトの人々が分数をどのように扱っていたかを詳しく調べてみたいと思います。

またエジプト分数の記数法や、「任意の有理数はエジプト分数で表すことができる」という定理についても紹介し、エジプト分数の性質について掘り下げます。古代の人々が使っていたエジプト分数について学びながら、私たち人類がどのようにして分数という概念を獲得していったかを考えてみませんか?

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