
introduction
数学と聞くと、多くの人が思い浮かべるのはややこしい問題や難しい公式かもしれません。
「どうしてこんな難しいことを勉強しなきゃいけないの?」
―― そんな疑問は、多くの生徒に共通する思いのようです。
けれども本来の数学は、単なる計算問題にとどまるものではありません。
人類の歴史や文明の発展と、常に深く結びついてきたのです。交易や建築、暦や租税のために数学が必要とされ、さらに人々は「数」そのものの中に秩序や神秘性を見いだしました。
この本では、古代ギリシアを中心に「数」をめぐる物語をたどります。小石を並べて見つけた図形的な発見、素数や完全数の神秘、そして指数や証明の美しさ―― 直感的で具体的な始まりから、やがて論理と哲学へと発展していく姿を一緒にのぞいてみましょう。
SAMPLE




目次
- 1.数論の源流 ― 数神秘主義から始まった?
- 2.数学の原初の姿は具体的で直感的だった?
- 3.数の分類とグノモン
- 4.三角数と平方数の不思議な関係
- 5.古代ギリシア人は数値計算が苦手だった?
- 6. 小石の計算は平面から立体へ
- 7 .古代ギリシアの「直感的な証明」
- 8. 自然数の世界 ― ギリシア人の数の分類
- 9. 最も美しい証明のひとつ ―「素数定理」
- 10. 指数とギリシア人の視覚的証明
- 11. 数学者を魅了した「完全数」
- 12. ギリシア人と数神秘主義
- 13. なぜ1 週間は7 日で1 年は365 日なのか
- 14. まとめ