
introduction
私たちが道を歩くとき、あるいはボールを投げるとき、そこには必ず「速度」が存在します。「時速○キロ」という言葉は、現代の私たちにとって、当たり前で疑いようのない事実かもしれません。けれども、歴史の時計を400年ほど巻き戻してみると、世界はまったく違う姿をしていました。当時の人々にとって、だんだんと速さを増して落ちていくものの「速度」を捉えることは、途方もない難問だったのです。「速度とは、いったい何者なのか?」この問いに、生涯をかけて挑んだ一人の科学者がいました。近代科学の父、ガリレオ・ガリレイです。彼は、私たちが教科書で習うたった一行の公式にたどり着くために、実に30年もの歳月を費やしました。ガリレオは最初から正解を知っていたわけではありません。何度も実験を繰り返し、間違った仮定に縛られ、思考の迷宮をさまよい続けました。ガリレオが切り開いた新しい科学の入り口を、一緒にのぞいてみることにしましょう。
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目次
- 1. 近代科学を切り開いた探究者 ガリレオ
- 2. 斜面実験が示した「時間平方則」
- 3. 大砲の弾はどう飛ぶ? 水平発射の実験
- 4. 振り子の実験と「落下理論の出発点」
- 5. 速度の謎を解く鍵「飛び出し台の実験」
- 6. 地動説における誤り――科学が進歩する道筋
- 7. 等速運動――あとから見えてきた基本概念
- 8.「落下の理論」への長い道のり
- 9. ガリレオが迷い込んだ迷宮…瞬間速度とは?
- 10. まとめ
