ジャン=ジャック・ルソー とは?
18世紀フランスの啓蒙思想を代表する哲学者。彼の著書『社会契約論』や『エミール』は、現代でもなお読み継がれています。
時代背景 ジャン=ジャック・ルソー が活躍した時代はどんな時代?
ルソーが生きた18世紀ヨーロッパは、新しい政治・社会体制への関心が高まり、啓蒙思想家たちが国家や宗教、道徳に関する様々な議論を展開していた時代です。
周辺背景 ジャン=ジャック・ルソー が活躍した国とその周辺情報
ルソーはスイスのジュネーヴで生まれましたが、生涯の多くをフランスで過ごしました。ジュネーヴは当時、プロテスタントが多く、独立した共和国としての自治権を保持していた都市国家でした。
ルソーの生い立ち
ルソーは1712年、スイスのジュネーブで生まれました。幼いころに母を亡くし、父と共に暮らしましたが、その父もルソーが10歳の頃に家を去り、親戚に育てられることになります。独学で勉強したルソーは、若い頃から音楽や哲学に興味を持ち、20代でフランスに渡りました。フランスで作家や音楽家として活動するうちに、彼の才能が注目され、次第に啓蒙思想家の一人として頭角を現していきました。
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社会契約論
ルソーの思想の中でも最も有名な作品が『社会契約論』です。この本で彼は、近代社会における政治の理想像について説きました。
ルソーの名言に「人間は自由として生まれたが、至る所で鎖につながれている」という言葉があります。この言葉は、人間が本来持っている自由と、社会制度によって制約される現実の矛盾を指摘しています。ルソーは、人々が自由で平等に生きるためには、「社会契約」という形で人々が互いに合意し、「一般意志(共通の利益を求める意志)」に基づいた統治が必要だと考えました。この考え方はフランス革命や近代民主主義の発展に大きな影響を与えました。
エミール
『エミール』は教育論を扱った作品で、「人間教育の書」とも称されています。ルソーは、子どもが本来持つ「自然な成長」を重視し、厳しい訓練よりも、子どもの好奇心や自主性を尊重する教育方法を提唱しました。
ジャン=ジャック・ルソー の名言
人間は自由として生まれたが、至る所で鎖につながれている『社会契約論』
人間は本来自由であるべきなのに、社会の不平等や不公正によってその自由が奪われているとルソーは考えていました。この言葉は、ルソーが自由と平等の社会を追求する中で生まれたものです。
自然に帰れ『エミール』
ルソーは、文明が人間の本来の純粋な姿を歪めてしまうと考えました。彼の「自然」とは、ただの自然環境だけでなく、人間が持つ素朴さや純粋さを指しています。ルソーは、人間が本来の自分に立ち返り、自然の中で学び、成長すべきだと説きました。