太陽に近いと速く、遠いと遅い。
なのに、同じ時間に掃く面積はいつも同じ。
惑星は、いつも同じ速さで回っているわけではありません。 太陽に近いところでは速く駆け抜け、遠いところではゆっくりと進みます。
速さがばらばらなのですから、動きにきまりなど無さそうに思えます。 ところが、ある測り方をすると、そこにぴたりと一定のものが現れます。
太陽と惑星を、1本の線で結びます。惑星が動けば、その線も動きます。 線が通ったあとには、扇のような形が残ります。 固定された短い時間ごとに区切って比べると、この扇の面積は軌道のどこでも同じになるのです。
面積をくらべてみる
「位置」を動かすと、扇の形が変わります。形はまるで違うのに、面積は変わりません。
「面積が同じ」ではなく「時間に比例する」
この規則は、いまでは面積速度一定の法則と呼ばれています。 ケプラーの3つの法則のうち、2番目にあたるものです。
「面積速度一定」は、この関係を現代的にまとめた言い方です。 ケプラーは、掃いた面積を経過した時間に対応させて考えました。 ニュートンも『プリンキピア』で、この関係を面積と時間の比として表しています。
2倍の時間をかければ2倍の面積を掃き、3倍の時間なら3倍の面積になる。 同じ時間なら同じ面積、というのは、その特別な場合ということになります。
なぜ、そうなるのか
ここまでで分かったのは「そうなっている」ことだけです。理由はまだ何も分かっていません。
面白いのは、ニュートンがこれを証明したとき、軌道の形を決めていなかったことです。 楕円だとも、円だとも、放物線だとも仮定していません。 条件はただひとつ、ある1点に向かって引かれ続けていること。それだけです。
その先は、図形をひとつずつ動かしていく話になります。 どんな図を、どの順に重ねていけば、この不思議な等しさが姿を現すのか。 書籍では、その手順をひとつずつ追いかけていきます。
この記事でたどったこと
惑星は、太陽に近いところでは速く、遠いところではゆっくり動きます。 距離も速さも変わり続けるのに、同じ時間に掃く扇の面積だけは、軌道のどこでも同じ。 形の違う2つの扇が同じ面積になるところを、実際に測って確かめました。 近くでは短い線が大きく振れ、遠くでは長い線が少ししか振れない。その釣り合いです。
そして、ここからが問いの向きの変わるところでした。 ケプラーが見つけたのは「そうなっている」という事実で、理由は示されていません。 ニュートンはそれを動かぬ事実として受け取り、 どんな力が働いていればこうなるのかと問い直しました。 しかもその証明では、軌道の形を決めていません。 条件は「ある1点に向かって引かれ続けている」ことだけ。 円でも楕円でも成り立つ、という形で示されています。